
雪山シーズン、ワクワクするね!
初めての雪山登山では、通常の登山とは異なる装備や服装が必要です。雪山は美しい反面、寒さや凍結、天候の急変といった厳しい自然環境が待っています。



安全に冬の山を楽しむためのポイントを押さえていくね!
雪山登山では、厳しい寒さや風、雪による体温低下を防ぐため、装備の選定が非常に重要です。初心者の方にもわかりやすく、雪山に必須のアイテムを紹介していきます。これらの装備をしっかりと準備することで、安全で快適な登山が楽しめます。
雪山の基本装備





用意すべき基本装備をお伝えします。
アイゼン・チェーンスパイク
雪道や凍結した登山道を歩くには、靴底に装着するアイゼンやチェーンスパイクが必須です。初めての雪山なら、6本爪やチェーンスパイクが扱いやすくおすすめです。これにより、凍った地面でも滑りにくくなり、安全に歩行できます。積雪の有無や山の状況に合わせて選びましょう。
チェーンスパイク
携行性:軽量でコンパクト、持ち運びに便利です。
用途:凍結した登山道や軽い積雪のある道での歩行に適しています。
注意点:泥状やシャーベット状の雪には滑りやすいため、積雪量や路面の状態に応じて他の装備と使い分けが必要です。
6本爪~10本爪アイゼン(軽アイゼン)
安定性:チェーンスパイクよりも雪面での引っかかりが強く、凍結した道や積雪が多めの地形にも適しています。
スノーアンチプレート:雪が詰まりにくくなるプレートが付いているモデルもあり、足裏に雪が張り付くのを防ぎます。
12本爪アイゼン
高いグリップ力:深雪や急勾配、アイスバーンでの歩行に必要です。雪山経験者向けですが、今後さらに雪山に慣れていきたい場合は、装着と取り扱いに慣れるためにも役立ちます。



初めてアイゼンを使用される方は、当日にスムーズに脱着が出来るように必ず自宅で事前練習をしておく事!現地で装着できない登山者さんけっこうおられます。
低価格重視でアイゼンを選ばない
雪山登山では、アイゼン選びも慎重に行う必要があります。低価格の無名メーカー品は壊れやすく、使用中に外れる可能性もあります。
- おすすめのアイゼン:モンベルの「スノースパイク6」や「チェーンスパイク」は扱いやすく初心者にも最適。
- 適切なサイズを選ぶ:登山靴を店舗に持参し、ぴったりのサイズを確認して購入しましょう。
- 爪の本数に注目:4本爪は雪にかかる爪が少ないため、フラットフィッテングに慣れているなど歩行の技術も必要です。6本爪アイゼンやチェーンスパイクを選ぶことをおすすめします。



値段が高くても、メーカー保証付きで耐久性の高いものを選ぶことが、安全性につながります。
アイゼンは早めの装着を
雪山では、アイゼンの装着タイミングが安全を左右します。装着を遅らせると、凍結した土や滑りやすい場所で怪我をするリスクが高まります。
- 装着のタイミング:完全に雪で覆われる前、または凍結した道に入る前に装着を。
- 外すタイミング:雪が少なくなったと感じても、しばらく装着を続けたほうが安全です。
- 周囲への配慮:装着後はアイゼンの爪で他の登山者を巻き込まないよう、距離を保ちましょう。
トレッキングポール
雪の上を歩く際は、バランスを取りやすいトレッキングポールが役立ちます。スノーバスケット(別売り)対応のポールを選ぶと、雪に深く沈まずに安定して使えます。急な斜面では転倒防止にもなるため、初めての雪山にはぜひ携行しましょう。
バランス保持:積雪のある不安定な地形でバランスを保つために役立ちます。急登や下り坂でも、体重をポールにかけることで足の負担が軽減されます。
スノーバスケット:雪に深く沈まないように、ポールの先端に装着できるスノーバスケットが便利です。スノーバスケットがあると、雪上での使用時に安定性が増し、柔らかい雪でも快適に使えます。
雪の深さ確認:雪面を軽く刺して深さを確認することで、踏み抜き事故や深雪でのスタックを防げます。
ゲイター(スパッツ)
くるぶし周りに雪が入り込むのを防ぐため、ゲイター(スパッツ)を装着します。ゲイターは脚と靴の隙間をしっかり覆い、雪の侵入や靴下の濡れを防いでくれる重要なアイテムです。
防水ザック
雪山登山では、ザックが濡れないように防水仕様のザックやザックカバーがあると便利です。必要な容量は日帰りなら30~35リットルが目安。予備の防寒着や食料を余裕をもって収納できるサイズが良いでしょう。
サングラス・ゴーグル
雪山では雪面からの反射光が強く、長時間浴びると「雪目(雪盲)」を引き起こすことも。サングラスやゴーグルを必ず着用して、目を保護しましょう。レンズはUVカット機能のあるものが推奨されています。
ヘッドライト
雪山登山は日没が早く、通常の登山よりもコースタイムが長引くことがあります。暗くなっても安全に下山できるよう、ヘッドライトは必ず携行してください。予備のバッテリーも持参しておくと安心です。
雪山では行動時間が長くなりがちで、日照時間も短いため、ヘッドライトは必須装備です。
コースタイムの余裕を持つ:雪山では積雪や凍結により、コースタイムが長くなることが一般的です。日没前に下山できる計画を立て、余裕を持って行動しましょう。
保温ボトル
冬の登山では冷たい飲み物よりも保温ボトルが便利です。温かい飲み物でしっかり水分補給ができ、体温を保つこともできます。喉が渇きにくいため、こまめに少しずつ飲むよう心がけましょう。
雪山登山の服装





服装について紹介するね。
ベースレイヤー(肌着)
最初に着る肌着は、吸湿速乾性の高いものを選びましょう。雪山では汗をかいたまま体温が下がると危険です。おすすめは、モンベルやファイントラックなどの化繊やメリノウールのベースレイヤーで、汗冷えを防ぐことができます。
ミドルレイヤー(中間着)
ミドルレイヤーには、フリースや薄手のダウンが最適です。体温をしっかり保ちながら、行動中に蒸れすぎない適度な保温性が求められます。寒さが厳しい場合は着用するベースレイヤーやミドルレイヤーの厚みを調整しよう。
アウターレイヤー(シェル)
外気と雪から身を守るためのアウターには、防水性・防風性に優れたアルパインウェア(ハードシェル)がおすすめです。アルパインウェアは雪や風を防ぎつつ、通気性が良く、雪山歩きには適しています。登山用のレインウェアでも代用可能ですが、耐久性や保温性の面で劣ることがあるため、フィールドに応じて選びましょう。
防寒着(休憩用)
行動中の体温低下を防ぐため、休憩時には保温性の高いダウンジャケットを羽織ります。軽量かつ保温性のあるダウンジャケットは、コンパクトに収納できるため持ち運びやすく便利です。
防寒着は、休憩時に体温を維持するための重要なアイテムです。動きやすさと保温力のバランスを考えて選びましょう。
ダウンと化繊綿の違い
ダウン:軽量で高い保温性が特徴です。ただし、濡れると保温力が低下するため、防水対策が必要です。
化繊綿:濡れても保温性が落ちにくく、速乾性に優れています。気温が低い場所でも安心して使用できるため、冬の登山にはおすすめです。
休憩時の着用:行動中は体温が高くなりがちですが、休憩時に汗冷えで体が冷えないように、サッと羽織れる防寒着を携行しましょう。
ダウンジャケットについて
悪天候や休憩時には体温低下を防ぐためにダウンジャケットについてです。
- FP(フィルパワー)の確認:FPは保温性能の指標です。登山メーカーのジャケットは700~1000FPまで取り揃えられており、動きやすさも考慮された設計になっています。
- 用途に応じた選択:低山ではユニクロのライトダウン(650FP程度)でも対応可能です。
ヒートテック禁止
雪山登山では、汗冷えを防ぐことが最重要です。ヒートテックは汗の乾きが遅いため、体温が下がりやすく、汗をかく活動には適しません。また、綿100%の肌着も保水性が高いため避けるべきです。代わりに、アウトドアメーカーが販売している以下のベースレイヤーを活用しましょう:
- 化繊素材のベースレイヤー:速乾性に優れ、肌をドライに保ちます。
- メリノウール素材:保温性と吸湿性に優れ、匂いも抑えられます。
レイヤリングの重要性
雪山の気候は変わりやすく、登山中に気温が急激に変化することも珍しくありません。そのため、適切なレイヤリングが必要です。
- 蒸れや寒さを感じたらすぐ調整:快適さを維持するため、着脱を躊躇しないこと。
- 防寒着も必ず持参:快晴時に不要でも、突然の寒さに備えて必ず準備しておきましょう。
衣服の選択と調整をこまめに行うことで、快適かつ安全な登山を実現できます。
グローブ
雪山では手がかじかむため、防水・防風機能のある中綿入りグローブを準備しましょう。インナーグローブとオーバーグローブを組み合わせるとより効果的です。予備のグローブも用意し、万が一濡れても対応できるようにしましょう。雪山では手先が冷えやすく、凍傷を防ぐためにグローブ選びが非常に重要です。
グローブ
中綿入りで、防水性・防風性の高いものを選びます。防寒テムレス(防寒防水手袋)は安価でありながら保温性が高く、多くの登山者に人気です。※ただし厳しい環境下の雪山では、防寒テムレスはメイン使いではなく予備グローブと認識しておきましょう。
インナーグローブ
メイングローブの内側に着用する薄手の手袋で、保温性を高めるとともに、濡れた場合の予備としても活用できます。
オーバーグローブ
グローブの外側に装着する、防水性の高い手袋です。特に吹雪や氷点下での作業に対応できます。
予備グローブ
雪山では手袋が濡れることが多いため、必ず予備を2セット以上持参しましょう。
帽子・ネックゲイター
雪山では、頭部や首元からの熱放射を抑えることが重要です。耳まで覆えるニット帽や、首元を温めるネックゲイターがあると防寒効果が高まります。
帽子
耳当て付きのニット帽や、防風・防寒性に優れたものを選びましょう。特に寒さが厳しい場合は、顔全体を覆えるバラクラバが有効です。風が強い場合でも耳を守れるものを選ぶことがポイントです。
ネックゲイター
首筋からの冷気をシャットアウトする事で、体全体の保温性を促してくれる重要なアイテムです。フリースやメリノウール素材のものが快適でおすすめです。
グローブリーシュ
グローブを外すとき、風で飛ばされないようにグローブリーシュ(紐)を装着するのもおすすめです。グローブを紛失するリスクを防ぎ、安全を確保できます。
アルパインウェアとレインウェアの違い





「アルパインウェア」と「レインウェア」の違いについて疑問を持つ方も多いと思います、性能の違いを見てみよう。
アルパインウェア
アルパインウェアは、雪山での使用を想定して設計された高機能ウェアです。以下の特徴があります。
耐久性が高い:アイゼンやピッケルが接触しても破れにくい強度の高い生地を使用。
蒸れ防止:ベンチレーション機能(換気口)があり、ウェア内の蒸れを排出。
防寒性:内部に雪や寒気が侵入しないガードが付いている。(止水ジッパーやシームテープ加工など)。
滑り止め加工:斜面で転倒しても滑りにくい表面加工が施されている。
レインウェア
レインウェアは雨を防ぐための装備で、防水性は高いものの、以下の点でアルパインウェアに劣ります。
耐久性:薄手のため、鋭利な道具に接触すると破損しやすい。
防寒性:風や雪を防ぐ機能は限定的。
雪山登山では、アルパインウェアを選ぶことを強くおすすめします。
1000m前後の雪山では、ベースレイヤーやミドルレイヤーのスペックを上げることでレインウェアでも対応可能ですが、より厳しい環境下ではアルパインウェアが必須です。安全で快適な登山を楽しむために、フィールドに応じた装備を選び、万全の準備を心がけましょう。
雪山登山中の食事 持ち物


食事の重要性



食事は体温を維持し、エネルギーを補給するための重要な手段だよ。
- 腹持ちの良い食品:おはぎ、大福、回転焼きなど、エネルギーが持続するものを選びましょう。
- 温かい食事:カップ麺やスープなどは保温容器を使い、冷めにくい工夫を。調理時間が短いものを選ぶことで、手間を減らせます。
- インスタント食品:パンと一緒にインスタントスープやコーヒーを手軽に準備することで、効率的に栄養補給ができます。
他にも、脂肪分の多いナッツやチョコレート、エネルギージェルを行動食に取り入れる。冷たい水ではなく、温かい飲み物を摂取して体を内側から温める。などの方法があります。
食料と保温の工夫
寒冷地では食べ物が凍りやすく、適切な工夫が必要です。
- おにぎりの保温:カイロと一緒に保温バッグに入れると凍結を防げます。
- パンと温かい飲み物:凍りにくく、手軽にエネルギー補給ができます。生姜たっぷりの甘酒や蜂蜜紅茶は体を温める効果があります。
- インスタントラーメンやスープ:手軽で温まりやすいメニューとしておすすめです。
サーモス・山専ボトル
雪山登山では、温かい飲み物が体を芯から温め、エネルギー補給にも役立ちます。サーモスや山専ボトルは高い保温性能を持ち、朝に入れたお湯でインスタントラーメンを作ることも可能です。山専ボトルがない場合でも、普通の保温ボトルを保温バッグに入れて外気に触れないようにする工夫で冷めにくくなります。
- 温かい飲み物は水分補給にも最適で、脱水を防ぐ効果があります。
- 小型の保温ボトルをボトルホルダーに装着し、こまめに飲むことで発汗と水分補給のバランスを保てます。
バーナー
温かい食べ物を調理する場合、バーナーは必須です。特にサーモスや山専ボトルがない場合には役立ちます。以下のポイントを押さえましょう:
- ウィンドスクリーンの使用:風の強い時に火が安定し、効率よく調理できます。
- フリント式ライターを準備:寒冷地ではガスの気化が遅く、点火が難しいことがあるため、確実に着火できる道具を持参しましょう。
- 冬用ガスを選ぶ:イワタニプリムスの「T表記」のハイパワーガスを使用することで、低温環境でも着火しやすくなります。
- CB缶(カセットボンベ缶)は使えなくなります:CB缶は軽量で手に入りやすい利点がありますが、寒冷地では気化不良や火力が低下し不安定です。寒冷地での使用に適したOD(アウトドア)缶と対応バーナーを選ぶことが、安全で確実な選択です。安全性を最優先に、環境に合った燃料を選びましょう。
温かい飲み物を準備してこまめに水分補給をすることで、寒冷地でも脱水を防ぎやすくなります。また、寒い環境ではペットボトルやハイドレーションは、凍結で飲めなくなる事があります。
携帯クッションと敷物
雪山では、休憩中に直接地面に座ると冷気が体に伝わりやすくなります。携帯用のクッションや敷物が便利です。
- 携帯クッション:折りたたみ式で軽量なものを選ぶと持ち運びが楽です。地面からの冷えを遮断し、快適に休憩できます。
- 敷物:荷物を置く際に、雪や泥から守るために風呂敷程度のものを用意しておくと便利です。
初めての雪山での注意点



雪山登山では、装備や食事の工夫が快適さと安全性を大きく向上させます。持ち物をしっかり準備して、寒さの中でも楽しく過ごせるようにしましょう!


アイゼンの事前練習を忘れずに
初めての雪山登山では、アイゼンの脱着に不安を感じることも多いので、事前に練習しておきましょう。手袋をはめた状態でも脱着できるように、装着方法をしっかりと事前に練習し、当日に慌てないよう備えてください。
- 取扱説明書を熟読する:当日に慌てることがないよう、装着方法や前後左右をしっかり把握しましょう。
- 練習のポイント:雪山では手がかじかむため、自宅練習よりも困難になります。脱着の際、スムーズにできるよう練習を重ねてください。
- 防寒対策:少しでも寒さを感じたら早めにグローブを装着して保温を心がけましょう。一度かじかんだ手は元の温度に戻るまで時間がかかります。
汗をかかない事の大切さ
雪山では体が冷えやすいため、できるだけ汗をかかないペースで行動することが大切です。蒸れないようにベースレイヤーやミドルレイヤーで調整し、体温が上がりすぎないよう心がけましょう。
※汗をかくと冷えの原因になり、体温を奪うことになります。
- ペースをコントロール:グループで登る場合も、自分のペースを守り、発汗を抑えましょう。
- 体温の調整:暑くなりすぎたら一旦足を止めてクールダウンするなど、こまめに対応することが重要です。
- 装備の選択:汗で湿った手袋や靴下は指先を冷やすため、予備を用意して交換する習慣をつけましょう。
- 行動中:やや薄着にして発汗を抑えることで、汗冷えを防ぎます。
- 休憩中:冷えた体をすぐ温められるよう、防寒着を羽織りましょう。これにより体温低下を防ぎ、快適に過ごせます。
天候と日没に注意
冬の登山は日没が早く、天候も変わりやすいです。天気予報を確認し、行動計画は余裕を持って立てましょう。暗くなる前に下山できるよう時間配分に注意し、無理のない山行を心がけてください。
暴風への備え
雪山では樹林帯を抜けて稜線に出ると、強風にさらされ一気に体感温度が下がります。以下の装備を準備して万全を期しましょう。
- 耳の隠れる帽子と防風・防水グローブを用意する。必要に応じてインナーグローブも着用して、蒸れたら速やかに乾かすこと。
- バラクラバの使用:首から頭部全体を覆い、体温低下を防ぎます。モンベルのスーパーメリノウールバラクラバは顔のラインにフィットし快適です。
- グローブの種類:メインのグローブ、緊急の予備グローブを用意することで、どんな状況でも対応可能です。
ゲイターの重要性
ゲイターはくるぶしから雪の侵入を防ぎ、雨天や泥濘でも活躍するアイテムです。
- ロングタイプを選ぶ:長いものが汎用性が高く、雪や雨の侵入をしっかり防ぎます。素材はGORE-TEXがおすすめです。
- パンツの裾を保護:アイゼンの爪でパンツを引っかけて穴をあけないよう、ゲイターで保護することが大切です。
靴下は肉厚のものを選ぶ
保温材入りの登山靴(冬靴)や、防水性のあるハイカットの登山靴を選びつつ、靴下のスペックを上げることで足元を冷えから守ります。
- 厚手のメリノウール靴下:保温性に優れ、長時間行動しても快適です。
- しもやけ予防:冷えた登山靴から足元を守るため、肉厚な靴下を着用しましょう。
- 五本指靴下は足先を冷やしやすい:通常の靴下では指同士が接触して温め合う効果がありますが、五本指靴下ではそれが失われ、指の間が冷えやすくなります。薄手のものが多く保温性に欠け易いのです。



ウールソックスの下に、ファイントラックのドライレイヤーインナーソックスを追加することで保温性を向上させる事もできますよ。
厳しい環境下に対応するための冬靴もありますが、低山のカテゴリーでは靴下のスペックを上げておく事で対応は可能です。
携帯カイロの活用法
携帯カイロは手軽で便利な保温アイテムですが、使用タイミングが重要です。
- 手指の保温:ミトン型のグローブに小型カイロを入れると、指先を効果的に温められます。
- 足用カイロ:インソール型のカイロは靴内の保温に便利ですが、汗をかきすぎると逆効果になることがあります。
- 使用時間に注意:持続時間が限られるため、最も必要なタイミングに使えるよう計画的に利用しましょう。
携帯のバッテリー消耗を防ぐ方法
雪山登山では、携帯のバッテリー消耗が通常より速くなるため、注意が必要です。冷気にさらされるとバッテリー性能が低下するため、携帯は体温に近い場所に保管しましょう。ジャケットの内ポケットや腹巻きなどが適しています。



以下の対策を講じることで消耗を抑えられます。
- 省エネモードと機内モードを活用する:必要のない通信機能をオフにし、バッテリー使用を最小限に抑えましょう。
- 携帯電話用カイロを利用する:冷気で電源が落ちるのを防ぐため、携帯に貼るタイプのカイロが便利です。ただし、カイロの持続時間を考え、外気にさらさないよう注意してください。
- 予備バッテリーを持参する:寒さでバッテリー消耗が早まるので、万全を期すために予備を複数用意しておくと安心です。
落とし物を防ぐための出発前チェックポイント
雪山では、装備が多い分、落とし物も増えがちです。休憩中の脱着や装備の外付け部分が外れることを防ぐため、以下のポイントを意識してください。
- チェックリストを作成する:出発前に持ち物を確認するリストを用意し、特にサングラス、手袋、ストック、アイゼンなど小物を重点的に確認しましょう。
- 装備を固定する:外付けする装備はしっかり固定し、緩みがないかチェックしてください。
- 仲間と声をかけ合う:チームで行動する場合、互いに持ち物を確認し合うと落とし物防止に役立ちます。
凍結した道路での安全運転のコツ
登山口に向かうまでの道路は積雪や凍結が避けられない場合があります。特に雪山特有の狭い道では慎重な運転が求められます。



安全運転を心がけましょう。
- スタッドレスタイヤかチェーンを装備する:必須アイテムとして準備してください。
- ライブビューや道路情報を確認する:事前に目的地周辺の道路状況を確認し、最適なルートを選びましょう。例えば、東吉野村のライブビューなど地域の情報を活用してください。
- ゆっくり運転する:速度を落とし、十分な車間距離を保つことで安全を確保します。急なブレーキやハンドル操作は避けましょう。
雪山でのトイレ問題の解決法
雪山では多くのトイレが冬季閉鎖されています。そのため、事前の準備が必要です。特に女性の場合、対策が重要になります。以下のアイテムを活用してみましょう。
- 携帯用トイレを持参する:どの場所でも使えるポータブルトイレは非常に便利です。
- ポンチョで目隠しをする:緊急時には「ベンリーポンチョ」のような丈が長く軽量なポンチョが安心です。周囲から見えない状態を保てます。
- トイレタイムを計画する:トイレの場所やタイミングを登山計画に含めておきましょう。
- 経口補水液を利用する:経口補水液に含まれるナトリウムやカリウムは、体液の濃度を適切に保つ働きかけをしてくれます。体が水分を効率よく利用してくれるので、トイレの回数を減らすことができます。
寒冷地での装備管理と効率的な収納方法
雪山での装備管理は安全性を左右します。装備が散乱しないよう、効率的に収納し、必要なものにすぐアクセスできる状態を保ちましょう。
- 専用ポーチやバッグを使用する:装備ごとに分けて収納すると、取り出しやすく管理が容易です。
- 防水性の高い収納袋を利用する:雪や湿気から装備を守るため、防水バッグやドライバッグを活用してください。
- 使用頻度で配置を考える:頻繁に使うもの(地図、飲み物、手袋)は手前に、予備の装備は奥に収納することで効率が良くなります。
血流を阻害しない工夫で足元の冷えを防ぐ
雪山登山において足の冷えは深刻な問題です。特に冬季の低温環境下では、足元が冷えることで全身の体温が低下し、低体温症や凍傷のリスクが高まります。そのため、足の血流を適切に維持することが重要です。
靴紐やアイゼンのラチェットの調整が足の冷え方に大きな影響を与えることを知っておくべきです。締めすぎると足の血流が阻害され、逆に緩すぎるとアイゼンの安定性が失われ、安全性が損なわれます。適度に締めることで血流を確保し、足先に温かい血液を送り続けることができます。
さらに、靴や靴下の選び方にも注意が必要です。蓄熱性能の高い素材を選ぶことで、外部からの寒さを遮断しつつ体内の熱を保持できます。例えば、ウール素材の靴下や中綿入りの防寒ブーツが効果的です。しかし、これらの保温性能に頼りきるのではなく、血流の確保という基本的な対策も併せて行うことで、足の冷えを防ぐ効果が格段に高まります。
登山前には足元の装備をしっかりと点検し、現場での調整も怠らないようにしましょう。また、定期的に足を動かすことで血液循環を促進することもおすすめです。冷えを予防することで快適な登山を実現できるだけでなく、危険な状況を未然に防ぐことができます。
ヘッドライトの重要性と冬山特有の行動計画
雪山登山は装備が増え、行動が通常の山登りよりも時間を要するため、特に計画と安全対策が求められます。その中でも、冬の短い日照時間を考慮した行動計画の立案と、ヘッドライトの携行が欠かせません。
冬季は日が短く、午後4時には日没を迎えることが一般的です。そのため、遅くとも日没の1時間前までには下山を完了するように計画を立てる必要があります。これには、スタート時間を早めに設定し、休憩や写真撮影の時間を適切に管理することが含まれます。スケジュールに余裕を持たせることで、予想外の事態に備えることができます。
また、万が一日没後に行動が必要になった場合を想定して、ヘッドライトを携帯することが重要です。ヘッドライトは両手が自由に使えるため、登山中に安全性を確保しやすい道具です。さらに、雪面は光を反射する性質があるため、夜間でも視界を確保しやすくなります。予備のバッテリーや耐寒性の高いライトを用意することも忘れないでください。
雪山では通常以上に慎重な行動が求められます。ヘッドライトの携行は、非常時に自分や仲間の命を守る重要な対策となります。こうした装備と計画を整えることで、冬山登山の魅力を安全に楽しむことができるでしょう。
雪庇の危険とトレース上を歩く重要性
雪山登山では、特に初心者にとってトレース(先行者の踏み跡)上を歩くことが基本です。トレースを外れることで、雪庇(せっぴ)による事故に巻き込まれるリスクが高まります。雪庇は山の尾根の風下側に庇のようにせり出した積雪のことで、見た目では山道の一部に見える場合があり、踏み抜いて滑落する事故が起きやすい地形です。
実際、初心者が雪庇を踏み抜き、腰下まで沈み込む事故などが発生しています。この際、助けに入った別の登山者も同じように足を取られ、滑落しかけたケースがありました。このような事例からも、雪庇に対する正しい知識と慎重な行動が必要であることがわかります。



雪庇事故を防ぐためには、次のような対策が効果的です。
- 経験者と同行する:地形を熟知した人がいると、雪庇や危険な箇所の判断がしやすくなります。
- トレッキングポールで確認:トレースが不明瞭な場合は、ポールで地面の硬さを確認しながら歩くことで、雪庇のリスクを軽減できます。
- トレースを守る:むやみにトレースから外れず、安全なルートを辿るようにしましょう。
雪山では一歩の判断ミスが命に関わる事故につながる可能性があります。慎重な行動を心がけ、安全な登山を楽しむためにリスクマネジメントを徹底しましょう。
事前の情報収集とレポート確認の重要性
雪山登山では、現地の状況を事前に把握することが事故防止に直結します。特に、大寒波の後や新雪が積もった直後などでは、トレースが消失し道が不明瞭になることがあります。これにより遭難リスクが一気に高まります。
近年では、登山者の記録やレポートがインターネットで手軽に確認できるため、それらを活用しましょう。例えば、最近の入山記録が多ければ雪道が固められており、歩行が比較的容易になります。一方、数日間記録がない山や、寒波が続いている山は道が消えてしまい、登山の難易度が跳ね上がるケースが多いです。



事前にレポートを確認する際のポイントは以下の通りです。
- 最新の天候情報を確認:大寒波や降雪が予想される場合は無理を避ける。
- 入山者の状況をチェック:直近の入山記録が多い場合、踏み固められたルートが期待できます。
- 装備や同行者を検討:慣れない場合はソロでの挑戦を避け、その山をよく知るガイドやエキスパートと同行することを推奨します。
情報収集を怠らないことで、道迷いや雪山特有の危険を未然に防ぐことができます。特に初心者は、慎重に情報を集めたうえで行動を決定しましょう。
勇気ある撤退が命を守る
雪山登山では、悪天候や体調不良などのリスクが常に伴います。特に冬季の厳しい気象条件下では、装備の不備や計画遅延が命取りになることがあります。このような状況に直面した際には、勇気を持って撤退を判断することが必要です。
撤退を判断するべき状況例:
- 悪天候による視界不良:濃霧や吹雪で進行方向が見えない場合。
- 装備の不備:防寒着やアイゼンが適切に機能しない場合。
- 計画の大幅な遅れ:日没前に下山できない見込みとなった場合。
- 体調の異変:体温低下や疲労感が著しい場合。
「山は逃げない」という格言があるように、安全を最優先する姿勢が必要です。撤退することで、一時的に目標を諦める形になりますが、自分や仲間の命を守ることが最も重要です。事前の計画に柔軟性を持たせ、何か異変を感じたら即座に引き返す勇気を持ちましょう。
雪山登山の魅力を安全に楽しむためには、撤退を恐れず、安全第一の行動を心がけることが肝心です。
寒さ対策と体温維持の考え方


寒冷環境での末端の冷えや体温維持について、内臓や筋肉、脂肪の役割を理解しながら対策を講じることが重要です。



熱産生と血流の仕組みについて解説します。
末端の冷え対策:手袋や靴だけでは不十分な場合
体内での熱産生は主に内臓(肝臓や胃腸)や筋肉で行われます。手や足の末端には筋肉が少ないため、自ら熱を生産する能力は低く、冷えやすい部位です。末端まで十分な熱を運ぶためには、内臓や体幹部をしっかり温めて血流を促進することが重要です。
腹巻きや体幹部の保温の効果
腹巻きやダウンベストを活用して、内臓(体幹部)をしっかり温めてみよう。体幹部を温めることで末端も温まります。腹巻きや保温性の高いアンダーウェアを使うと、内臓が効率よく温まり、手足の血流が改善します。特に冷え性の人や寒冷地での登山では、腹巻きや腰回りの保温が効果的です。断熱性の高い靴や手袋を使用しても、体全体が冷えていると末端に十分な熱が届きません。



女性の方が末端冷え性の人は多い傾向にあります。悩まれている方はアンダーウェアのスペックアップも試みてください。
脂肪と筋肉の役割
冬の脂肪の重要性
脂肪は断熱材とエネルギー源。脂肪は冷気から体を守る「断熱材」としての役割を果たし、またエネルギー源として体温維持を助けます。冬山登山では、適度な脂肪が低温環境での体温維持に貢献します。



「1984年にアイスランド沖で起きた漁船転覆沈没事故」のように、脂肪が極寒環境での生存に繋がったという有名な実例もあるよ。
筋肉の役割
筋肉は熱産生の主役であり、筋肉量が多いほど寒冷環境での体温維持がしやすくなります。



でも、筋肉ホルモン(マイオカイン)は加齢とともに減少するため、年齢に応じたトレーニングが必要だよ。
脂肪が多すぎると動きが鈍くなり、登山などのアクティビティでは不利になります。筋肉と脂肪のバランスを考え、冬場は脂肪を適度に増やしつつ筋肉量を維持することが理想です。
寒冷環境での末端の冷え対策には、手袋や靴の保温性だけでなく、体幹部の保温と脂肪・筋肉のバランスが重要です。脂肪は断熱材とエネルギー源として機能し、筋肉は熱産生を助けます。装備や栄養を工夫し、季節ごとに体づくりを調整することで、寒さへの耐性を高めることができます。
まとめ




初めての雪山歩き、初心者のための冬山の装備・服装を解説いたしました。
雪山登山は普段の登山とは少し違って、厳しい環境もあります。でも、しっかりと装備や服装を整えれば、安全に楽しむことができますよ!
最初は寒さや雪道に慣れるためにも、低めの山からチャレンジしてみるのがおすすめです。
冬ならではの美しい景色を思いっきり楽しむために、準備をしっかり整えて、雪山の魅力を満喫してくださいね!
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