初めて雪山に誘われた時の思い出なんだけどさ
うん。
アイゼンは買ったけどゲイター高いし「サランラップでいいや」と思って藤原岳に行ったんだよね。でも、60cmの積雪を見て「やっぱゲイター買ってて良かった!」って心底思ったよ。
積雪に食らう時あるよね笑。雪山では準備が大切だね!
雪山登山を楽しむ際、アイゼンと並んで重要なアイテムの一つがゲイターです。ゲイターは足元を雪や泥、アイゼンの爪から守るためのカバーで、パンツや靴下を清潔に保ち、ダメージを防ぐ役割を果たします。しかし、適切なゲイターを選び正しく使用しないと、その効果を十分に発揮できません。
今回は、ゲイターの役割や使い方、メリット・購入時のポイントについて詳しく解説していきますね。
ゲイターとは?
ゲイター(スパッツとも呼ばれる)は、登山靴の上から装着する防護具で、靴とパンツの間を覆うことで、外部からの汚れやダメージを防ぎます。
主な役割
雪や泥から靴下・パンツを保護:雪山では深雪に足を踏み入れるたびに雪が靴やパンツに付着します。ゲイターを使用することで、靴の中やパンツの裾が濡れるのを防げます。
アイゼンの爪からパンツを守る:初めてアイゼンを使うと、歩き慣れないために自分のパンツを引っ掛けてしまうことがよくあります。ゲイターは爪からパンツを守る防御壁として役立ちます。
泥やホコリの跳ね返りを防ぐ:雪が溶けて泥が現れるフィールドでは、パンツの裾が汚れやすくなります。ゲイターを装着すれば汚れが直接付着するのを防げます。泥汚れのような不溶性汚れは繊維に入り込みやすく、洗濯しても完全に落とすのが難しいですが、ゲイターを使えばその心配も軽減されます。
雪山でのアイゼン使用時、パンツに穴を空けてしまう事故が多発します。ゲイターを使うことで、耐久性のある素材が爪の引っ掛けから守ってくれるため、パンツを傷つけずに済みます。
ゲイターが必要な場面
雪山登山:深雪や吹雪の中を歩く場合に、雪の侵入を防ぎます。特に登山靴との隙間から雪が入り込むのを防ぐため、必須アイテムといえます。
泥道や湿地帯:雪解けや雨で道がぬかるむシーズンでは、パンツの裾を汚さず快適に行動できます。
岩場や藪漕ぎ:岩や枝がパンツを傷つける可能性がある環境でも活躍します。
登山靴が埋もれてしまうような積雪の時はゲイターは必須です。
ゲイターの選び方と装着方法
メーカーにより取付方法も多少異なります。事前に練習しておこうね。
選び方のポイント
サイズ:登山靴とパンツをしっかり覆えるものを選びましょう。
素材と耐久性:防水性と耐久性が高いものがおすすめです。ゴアテックスなどの防水透湿素材を使用しているものがおすすめ。
縫い目の加工: 縫い目部分に防水テープ処理が施されているか確認。
防水性:雪山登山では、防水性能の高いゲイターが必須です。
耐久性:雪山ではアイゼンの爪や岩、枝に引っ掛かることが多いため、耐久性の高い素材を選びます。
素材の厚み: 400~600デニール程度の厚手生地が最適。
補強部分: 特にゲイターの下部が補強されているものを選ぶと安心。
固定力:装着時にズレにくいよう、足首やふくらはぎをしっかり固定できる調整機能付きのものを選びます。
主な種類
・初心者向け:リーズナブルな価格で、防水性・耐久性を兼ね備えたもの。サイズ調整が簡単で装着しやすいタイプ。
・経験者向け:ゴアテックス素材などの高性能モデル。厳冬期やアイゼン使用を想定し、補強がしっかりしているもの。
・オールラウンド向け:夏の登山や雨天でも使用できる軽量モデル。防水性と透湿性のバランスが良いタイプ。
装着方法:
・ゲイターの上部をパンツにかぶせるように装着。
・足首部分をしっかり締めてズレを防止。
・靴底のストラップを登山靴の下に回して固定。
・ゲイターのフックを靴ひもに掛けることでズレを防止します。
ゲイター使用時の注意点
ストラップの調整:ゲイターの下部ストラップが靴底の中央にしっかりと固定されているか確認します。
メンテナンスを怠らない:ゲイターは雪や泥に直接触れるため、使用後のメンテナンスが重要です。使用後は汚れを落とし、乾燥させて保管:撥水性能が落ちた場合は、撥水スプレーを使用してメンテナンスを行う。
適切なタイミングで使用:雪や泥が多い場面での使用が基本ですが、必要ない場面でゲイターをつけると逆に蒸れたり不快感を感じたりすることがあります。適宜装着するように心掛けましょう。
パンツや靴との相性に注意:ゲイターのサイズや形状がパンツや登山靴と合わないと、フィット感が悪く効果が低減します。購入時には装備との相性を確認しましょう。
ゲイターは、登山靴やパンツにしっかりと密着させて装着する必要があります。不適切な装着は、雪や泥の侵入を防げなかったり、ズレやすくなるのでしっかり確認しておこう!
サイズとフィット感
ゲイターは、登山靴やパンツにしっかりフィットすることが重要です。サイズが合わないと、ズレや隙間から雪や泥が入り込む原因になります。
長さ: ふくらはぎまで覆うロングタイプがおすすめ。
調整機能::足首やふくらはぎの周囲に調整ストラップが付いているとフィット感が向上。
装着のしやすさ:雪山では手袋を着用しているため、ゲイターが簡単に装着できることが重要です。
開閉方式:フロント部分がジッパーやベルクロで大きく開くデザインが便利。
ストラップの取り付け:ストラップが頑丈で調整しやすいものを選ぶ。
重量とコンパクト性:軽量でコンパクトに収納できるゲイターは持ち運びに便利です。ただし、軽量化のために耐久性が低下している場合もあるため、バランスを考慮しましょう。
アイゼン、およびゲイターは雪山でスマートに使える様に、自宅でグローブをつけて脱着の練習しておこうね。
人気ブランドとモデル
🔶モンベル (Mont-bell)
おすすめモデル:アルパインスパッツ
防水性と耐久性に優れ、コストパフォーマンスも高い。
🔶ブラックダイヤモンド (Black Diamond)
おすすめモデル:フロントポイントゲイター
厳冬期の雪山登山にも対応する高耐久仕様。
🔶アウトドアリサーチ (Outdoor Research)
おすすめモデル: クロコゲイター
ゴアテックス素材で、高い防水性と耐久性を備える。
ゲイターを選ぶ際の注意点
試着ができるなら必ず行う:靴やパンツとの相性を確かめるため、店頭での試着がおすすめです。
用途に応じた選択:厳冬期の雪山か、夏山の軽い泥道かで選ぶべきモデルが異なります。
レビューをチェック:購入前に、実際の使用者のレビューを確認すると失敗が少なくなります。
ゲイターを使わないとどうなる?
雪が侵入し靴下が濡れる:冷えによる体力消耗や、長時間行動が困難になる可能性があります。
パンツに穴が空く:アイゼンの爪でパンツを傷つけると、修理が必要になるだけでなく、防風・防寒性能が低下します。
泥汚れが繊維に染み付く:泥汚れは通常の洗濯では落ちにくく、見た目が悪くなるだけでなく、パンツの寿命も短くなります。
ゲイターが汚れを保護してくれるから、下山後のパンツの洗濯も楽になりますよ。
雪山用ゲイターの使用後メンテナンスと洗浄方法
使い終わったらメンテナンスをしよう!
ゲイターは、使用後のメンテナンスを適切に行うことで、防水性や耐久性を長持ちさせることができます。泥汚れや雪の付着をそのまま放置すると劣化が早まる原因にも、ゲイターの洗浄方法やお手入れのポイントをお伝えするね!
使用後の基本的なメンテナンス
汚れを落とす:使用後はできるだけ早く汚れを取り除きましょう。特に泥や砂などの汚れが繊維の奥に入り込むと、生地の性能を損なう可能性があります。
雪や泥を払い落とす:使用後はゲイターを広げ、雪や泥を手や柔らかいブラシで払い落とします。
乾燥させる:汚れがついた状態で濡れていると、カビや悪臭の原因になります。直射日光を避け、風通しの良い場所で陰干ししてください。
ゲイターの洗浄方法
洗浄手順(手洗いがおすすめ):ゲイターは手洗いすることで生地や防水加工を保護できます。
準備するもの
・中性洗剤(アウトドア専用洗剤や衣類用中性洗剤がおすすめ)
・ぬるま湯(30℃以下)
・柔らかいスポンジまたは布
①汚れを落とす:ゲイターを水に浸け、表面の汚れを軽く揉み出します。汚れがひどい場合は、洗剤を少量加えてスポンジや布で優しく拭き取ります。
②すすぎを十分に行う:洗剤が残ると防水性能に影響を与えるため、流水で十分にすすぎます。
③軽く絞る:ゲイターをねじらず、軽く押し出すように水気を絞ります。
※洗濯機を使用する場合:洗濯機で洗う場合は、防水性を保護するためにネットに入れ、「手洗いモード」や「ソフトモード」を選びます。強い摩擦や脱水は避けてください。
乾燥のポイント
自然乾燥を基本にする:乾燥機や直射日光は、防水コーティングを劣化させる原因になります。
陰干し:ゲイターを広げて風通しの良い場所で乾かします。乾燥時間を短縮したい場合は、乾いたタオルで水分を吸い取ってから干すと良いでしょう。
完全に乾かす:内側やストラップ部分までしっかり乾かすことで、カビや匂いの発生を防ぎます。
撥水加工のメンテナンス
ゲイターは使用を重ねるうちに撥水性能が低下することがありますが、撥水加工を施すことで性能を回復させられます。
撥水スプレーの使用:ゲイターが清潔で乾いた状態にする。洗浄後に使用するのが効果的です。
均一にスプレーする:防水スプレーを適量スプレーし、生地全体に行き渡るようにします。
乾燥させる:スプレー後は再度陰干しで乾かし、防水層を安定させます。
メンテナンス頻度の目安
使用後毎回:雪や泥を払い落とし、軽く乾燥させる。
シーズンごと: 防水スプレーを使用し、撥水性能を補強。
汚れがひどい場合:手洗いや軽い洗浄を行う。
メンテナンス時の注意点
高温を避ける:乾燥機やアイロンは、素材や防水コーティングを傷める原因になります。
強力な洗剤は使用しない:酵素入りや漂白剤入りの洗剤は、防水性能を低下させる可能性があります。
ストラップやバックルの点検:洗浄後にストラップやバックルが劣化していないか確認しましょう。摩耗が見られる場合は早めに交換するのがおすすめです。
使用後に泥や雪を払い、手洗いを基本とした適切な洗浄を行いましょう。また、防水スプレーで撥水性能を補強し、次回の使用に備えておくことが大切です。定期的なメンテナンスで、ゲイターを長く愛用してください!
洗浄とメンテナンス:ニクワックスとグランジャーズの比較
ニクワックス(Nikwax)
ニクワックスは環境に優しいウォーターベースの製品を提供するイギリス発のブランド。防水製品やアウトドアギアのケアに特化しており、初心者でも使いやすい製品が揃っています。
主な製品ラインアップ
Tech Wash(テックウォッシュ)
防水性を損なわずに汚れを落とす専用洗剤。
TX.Direct(TXダイレクト)
洗濯後の撥水加工を回復させるための撥水剤/コンディショナー。
グランジャーズ(Granger’s)
グランジャーズもイギリス発のブランドで、長年にわたってアウトドア用品のメンテナンス製品を提供しています。特に、撥水処理においては高い評価を受けています。
主な製品ラインアップ
Performance Wash(パフォーマンスウォッシュ)
防水素材に対応した洗浄剤。
Clothing Repel(クロージングリペル)
撥水性能を回復させる洗濯機対応の液体撥水剤。
ニクワックスとグランジャーズの比較表
洗浄・撥水処理の手順
①洗浄手順(共通)
②タグを確認
洗濯表示タグを確認し、洗濯機対応か手洗い推奨かを把握します。
③専用洗剤を使用
通常の洗剤は防水性を損なうため、ニクワックスのTech WashやグランジャーズのPerformance Washなど、専用洗剤を使用します。
④汚れを重点的に洗う
汚れている部分は、事前に軽くブラッシングしておくと効果的です。
⑤すすぎを徹底
洗剤が残ると撥水性能が低下するため、十分にすすぎましょう。
撥水処理手順
・ニクワックス TX.Direct
・洗浄後、スプレー、もしくは桶に撥水剤を入れ、手揉みでコーティングを促します。
・自然乾燥または低温乾燥機で仕上げます。
メンテナンスの頻度
使用頻度に応じて、1~2回の使用後に洗浄。撥水性が低下した場合は撥水処理を追加。
泥汚れが付着したら都度洗浄し、必要に応じて防水スプレーを使用。
洗浄・撥水処理を行い、次回の使用に備える。
ニクワックスとグランジャーズは洗浄性・撥水性、どちらにも優れたメンテナンスブランドです。適切なメンテナンスを行い、登山ギアを長持ちさせて快適なアウトドアライフを楽しみましょう!
まとめ
ゲイターの役割・メンテナンスについて、解説させていただきました。
雪山登山でのゲイターは、防水性や耐久性、サイズ感が重要なポイントです。特に初心者の場合は、初めてのアイゼン使用でパンツを傷つけないためにも必須のアイテムです。
雪山登山や泥道での活動を安全かつ快適にするために、ゲイターは非常に有効、靴下やパンツを濡れや汚れから守るだけでなく、アイゼンの爪によるパンツのダメージを防ぐ役割も果たします。
アイゼンの扱いに慣れていない方には、ぜひ活用をおすすめします。
メンテナンスもしながらゲイターを上手に使い、安全で快適な登山を楽しみましょう!
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