安全登山のメソッド

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安全登山のメソッド

今回のブログでは部員さん達から質問の多かった安全登山のメソッドについて解説していくね。

安全に登山をするにしても、道具を揃えて登ればいいのか、体力をしっかりつけたらいいのか色んな方法があるよね。安全に登山って一言で言っても奥が深いから、私たちが普段から心がけている事を掲載してみました。参考にしていただければと思います。



①情報はできるだけ多く調べることと、余裕を持った登山計画を立てる。
レポートはYAMAP、ヤマレコなど色々あるよね。ヤマレコは傾向的に詳しくレポが掲載されています。今は登山中の現在地を知る時や計画を立てる時に登山アプリを利用されている人も多いと思います。ただ、山と高原地図などの紙地図は必ず用意してほしいです。アプリよりも山の情報が集約されているし、携帯の充電がなくなってGPSが使えなくなっても、紙地図を頼りに現在地を確認する事が出来るよ。

②日帰りでも、行動食や飲み物は余るくらい持っていく。
少し多いかな位に持って行っても、現地で想像以上にエネルギーを使ってしまって、食料を食べきっちゃったり飲み切っちゃったりしちゃう事がたまにあります。少し重たくなるけどエネルギー切れで動けなくなる事を考えたら、余るくらい余分に持って行く方が安全。荷物を軽くする方法の一つとして事前にコース上に水場があるかを調べておいて、自分が使うであろう飲料と、湧き水などからろ過して汲み取る方法があります。サクットの浄水器はお値段的にもお値打ちだし、安全にろ過が出来ていると第3者機関でしっかりとした保証付きです。

③日帰りでもヘッドライトは持っていく。
日没してしまうと道が見えなくなるし、歩けなくなってしまいます。足をくじいたり、計画を見誤ったりしてスケジュール通りに下山出来ない事があります。安全に下山する為にも、ヘッドライトは必ず携行するようにしよう。日没していなくても、陽の入りにくい谷や、樹林に覆われた地形では暗くなるのが早いです。

④晴れ予報でも雨具は持っていく。
天気予報で降水確率0%でも現地で雨にあう事もあります。雨具としてだけでなく、レインウェアは強風から体温の低下を防いでくれる役目があります。

⑤日帰りでもモバイルバッテリーは持っていく。
ついつい携帯で写真を撮り過ぎたり、低温になるとバッテリーの消耗が早くなってしまい勝ち。登山中は基本的には機内モードですが、電池切れをおこさない為に予備バッテリーがあると吉。緊急の連絡や下山後の報告も携帯で行うため、バッテリーは0にしないように。暗くなったらヘッドライトも使うのでそちらの予備バッテリーも準備。

⑥家族や友人に行き先と予定しているルートを伝えておき、出発と下山のLINEを送る。
たまにどこに行くかを伝えずに登山をされる方もおられますが、遭難時、どこに誰と登っているのか一切わからないと救助要請のしようがなくなります。行先、登山計画などは家族や親しい人に共有しておく事で、救助も円滑に行われます。入山時の全身写真を家族に送る。下山したら報告する。なるべく登山届を出すよう心がけています。
行先を周りに伝えるサービスにはコンパス、ヤマップ、ヤマレコ、ココヘリなどがあり、登山計画書を提出する事が出来ます。

⑦GPSで定期的に現在地を確認
お友達と登って会話が弾んでいる時も、忘れずYAMAPで軌道定期的に現在地を確認するようにはしています。特に分岐点周辺、目印のリボンが少なくて道をそれてしまっても、気付くのが早いとそれだけリカバリーも早いです。地図やコンパスがつかえるようになると安全性も高まるので、講習会などで勉強するのもいいと思います。別途、GPSアプリだけでなく紙の地図を持って行きます。バッテリーが切れてしまっても、紙地図があれば地形や現在地を確認する事が出来ます。

ファミリー登山をされている方は

子供が小学生でも食料や飲み物、ヘッデン、雨具など生きるための荷物は持たるようにします。小学生の頃はGPSのついたキッズ携帯も活用できます♪

山の選び方

危険度が高い時期を避けるのも大事。

真夏の岩場、低山は暑過ぎます。蛇、ハチ、ヒルなどの情報が上がっている山。冬前の熊が出そうな所、初めての雪山など。

事前に確認しておこう

ルートを選ぶ時に自力で降りるのが困難になった時を想定してロープウェイやバス、電車などを使える山を選ぶ事も大事だよ。

心がけている事

ソロ登山の多い私は、安全登山のために次のことに気を付けています。

①実力以上の所に行かない。

②必携品を持つ。
万全な装備です。万が一日没しても視界を確保するためのヘッドライト、替えの電池、防寒着、ファーストエイド、行動食は絶対ザックに入っているので、軽量化したいものの、それなりの重量になってます。自分も含めてですが、グループの時は、誰かを助けてあげられる様にという目線なんで用意しています。
(絆創膏類、エマージェンシーシート、雨具、ヘッドライト、行動食、紙地図など)

山小屋などで売られている薄い手拭いや、バンダナが意外と便利です。
(傷の止血、強風時の帽子止め、強紫外線時に顔を覆う、足湯の後の足ふきなどにも使えます。)

③登山靴も消耗品、靴が滑りやすくなったら、早めにソールの張り替え、交換などをします。

日頃から歩く事を心がけています🥾

冬は近くの里山の低山を中心に最低、1ヶ月に1回はホームマウンテンへ行くようにしています。
年の暮れの時点で、一年先の大晦日くらいまでの登山の年間計画を立てているから、それに合わせた身体づくり。
この辺は来年のフルマラソンを目指して、今年のフルマラソンが終わった次の週から走り込みを始めてる人と感覚が似てるのかもしれない。
でもね、短時間でもいい。反復して繰り返していくことで身体は作られていくんだよ。泥臭い地味な努力かもしれないけど、その地味な努力が、結果を出すための一番の最短で確実なプロセスだと私は思ってます。

自分の体力を見ながら、1日の行動時間には気を付けます。

以前はコースタイムで7~8時間でも無理して歩いた(走った)こともありますがブランクがある時は1日の行動時間は4~5時間程度で刻んでいきます。
ペースが遅くてもマイカーを使えば開始時刻を早めれるので、行動時間も多く確保する事ができます。一泊行程の時は、早めに小屋に着いちゃってもいいかなと。公共交通機関で登山してるとバスの時刻とか間に合わなくて焦ったりして、良いことないし汗だくでバスに乗りたくないので。
「どうぞ、どうぞお先にどうぞ」ののんびり登山を心掛けています。下山は15時までに登山口・山小屋・ロープウェイ乗り場に着くように計画を立てています。

計画に無理がないか、出発前にもう一度チェック!

①しっかりと無理の無い計画を立てること
これは基本中の基本ですが、YAMAPの登山計画を使って、きちんと登山スケジュールを組んで、時間通りに出発できて、下山できそうかを確認します。参加メンバーが複数いるなら、事前に全員に共有して、全員の身の丈に合っているかを話し合った方が良いと思います。初心者や高齢の方が同行する場合は、スローペースでの計画で考えてあげることが大切。てんくらやYamaYamaGPVを使って、天気や雲の量なども事前にチェックしたりしています。

②無理の無い登山をすること
しっかり計画を立てたとしても、計画通りいかないことも多いです。思ったよりもペースが遅くなってしまった、天候が悪化して風が強くなった、などなど。そんな時は無理してアタックせずに撤退することも大切です。メンバー間で意見が分かれる事もあるので、私は、計画時に今回の登山の目的や撤退条件を話し合ったりもしています。

③撤退の判断について
「進む覚悟とやめる勇気。」覚悟が持てないなら進むべきではないし、撤退を選びます。

④装備はちょっと大袈裟に。
登山する時の装備や食料って悩みますよね、増えるとパッキングの仕方もコツが要ります。
私は荷物になりすぎない程度に、少し多めに積んでいきます。その時に大事なのは、登山時を想像して、何が必要か、どこに入れたら出し入れしやすいかをイメージします。それと平常時は問題なくても、天気が悪くなったり、必要以上に喉が渇いたりすることも想定して、1枚多めに防寒着を持って行ったり、一本多めにペットボトルの水を持っていきます。多少荷物がかさばるし、持っていっても使わないこともあるけど、万が一の時に困らないようにする方が大事だと思っています。全体的に心配症の性格が出ている感じですが、危険な場所や長時間の歩行が多いからこそ、上記のようなことを心掛けていています。

リサーチはかかせない。

安全の為にはYAMAPのレポやYouTubeを見て危険箇所が無いか、下調べしてから行きます。そうする事である程度の登山のイメージが出来るからです。もちろん、危険箇所と一緒に見所も探します♪
登山計画をしっかり立てること、装備や荷物について万が一の場合も考えて用意すること、YAMAPやヤマレコの山行記録をよく読んで、直近の山の状況を確認しておくことは重要かと思っています!山の状況は日々変わりますから。
近所の山だと山行中も割と気兼ねなく撤退ができるけど、遠征で来られている方は「せっかくここまで来たのだから」と撤退するという選択肢を選びづらいと思います。「自然は美しいけど、怖いこともたくさんある」
山は逃げないので、少しでも危険やいつもと違う疲労を感じた場合は必ず撤退する、ということを心に誓っておくことも大事かと思います😊

山登りは楽しいことであるべきだと考えます。
継続して、仲間と楽しいことを続けるために、高いリスクはなるべく避けるようにしてます。
そのために、自分のできることは手を抜かないようにしてます。
コース選定、駐車場やトイレ、ルートの下調べなど行く前までによく考えて計画しておきます。
当日はメンバーの体力や体調を気にしながら、無理そうな時は引き返す判断もします。

基本的な歩き方も重要

心がける事は、急がないでゆとりを持って行動する事ですね。よく他の登山者と競う人が居ますが論外です(笑)ゆっくりソールのグリップを活かす事を意識しながら、着地して歩くと転ぶ確率が減ります👍
途中足を痛めてしまったらもっとも危険だと思うので、まずは怪我に繋がりにくい歩き方を覚えるのが安全に山歩きをする上で重要なポイントかなと思います。季節で多少前後しますが、どんなに遅くとも午後4時には下山が完了できることを原則に計画を立てます。それと1人での山行は万が一の対応が難しいので、ペアないしグループで歩きます。1人で行く時はメジャーな山がいいですね。

足首を捻りやすい人は山へ行く場合、毎回必ず足首にテーピングを貼って捻挫予防を。

テーピングをしていると足を捻ったときも軽症で済みます。あと、5センチくらいのとても小さいエアーサロンパスを待って行きます。狭い登山道で道を譲ってもらったときに、少し焦って早めに通過しようとしたり、すれ違おうとすると足を捻りやすいので、そういう時ほど慎重に足元を確認しようと心掛けています。それとホットヨガを取り入れてる事で体幹トレーニングにつながるから、滑落防止にもなると思います。

自分は少し高山病体質なので、なるべくしっかり水分補給することも心掛けています。

山小屋の売店で払うお金はお布施と思って、なるべくたくさん使うようにしています😊それが登山道や山小屋の整備に繋がって、快適な山行が続けられると思いますので!

気をつけていること
・YAMAPなどの歩行時間は1.1-1.2倍で見積もっておき、理想はだいたい15時までに目的地に着ける時間に出発する。
・天気が崩れる予報、風速が強くならないかなどを、登山日の直前まで確認。
・ルート内の水場の数を確認。
・生理1-2日目に重なりそうなときは辞める。

準備しているもの
・ファーストエイド
・ゴリラテープ、結束バンド(シューズが破損した時用)
・予備の行動食
・多めの水(人が少ない山のとき)
・雨具
・下痢止め
・ツェルト

※万が一に備えて、寒さ対策、雨濡れ対策をしています。ダウン、雨具、エマージェンシーシート、カイロは真夏でもザックの中。非常食になりそうな羊羹など、余分な行動食を持つ。
虫よけの為にミントスプレーを携行しています、清涼感を感じる事も出来ます。

登山の準備とは、体調管理も含めてです。

体調が微妙なときは辞めます。
自分もしんどいですし、周りにも迷惑かかるので。ストレスが溜まってると生理が遅れることがあるので、登ってる途中できてしまったことはあります。幸いその時は腹痛や貧血が軽めだったので、大丈夫でしたが、それ以来ナプキンと痛み止めは常に持つようにしてます。

運動前のエネルギー源は、しっかりと用意する。

歩き出す前の食事はしっかり炭水化物を摂ること、途中のエネルギー源になるチョコやゼリーを携帯しておくこと。 ストックは必ず携帯しておいて、疲労や怪我に備えること。足元が見えにくくなるのでポシェットを使わずハーネスにポーチ、ドリンクホルダーをつける事もあります。

荷物は重くなりますが、必ずビバーグ出来る準備はしています。
ツェルトとヘッドライト、アルミシート、+1食分の食事は持って聞くようにしています。計画は必ず15時に行動が終わるように計画します。コースの時間配分も余裕を持つようにしています。撤退の時も想定しながら、事前にルートをしっかり決めること。

基本的なことが1番かと思います。
体調、天候、季節、装備や体力に見合ったコースタイムも含めた山行選び、判断力、道中移動も含めて無理はないか、余裕はあるのか。ソロもいいのですが、複数人行くことで遭難や事故に遭遇した場合などのリスク回避にもなるとも考えます。また、同行者のレベル、装備も含めて行く山などを選びます。

熊の目撃事例のある山域

今年は熊被害も多発していることで、里山も人の多い山以外の山域のソロは危険。

地元の人にそのような情報交換などすることも日頃から心がけています。熊に遭遇の経験もあります。その時の体験としては私自身被害はありませんでしたが、林道を歩いている時には五感を澄ませることを意識しました。上から、横から、後ろから、何が襲うかわからないと用心しながら、、、でもある時、森の中、工事車両も通るくらいの林道でこんなに臭いものなのか?…と不思議なくらい、日常生活では嗅いだことも無いくらい臭い獣臭がしました。
近くにいたか、私の位置が風下だったのか…その後熊に会いました、目も合い、距離として7.8メートル、近いです。熊は笹を食べていたので、私はそのまま静かに後退りその場を切り抜けました。事故は誰にでも起こりうる可能性はあるし、無事は当たり前ではないと思って常に紙一重なものだと思ってます。

山の奥深い所での注意点

チャレンジな山なら気候、人の入りを意識します。(それと自信が8割ないなら無理にチャレンジはしません。)ソロの時は熊鈴🛎️を利用したり、山深い場所ではベアスプレーを持参しています。よほど近くや人が多いことが分かっているところ以外、1人では行かないようにしています。
ソロで人のいないような山へ行く場合、イノシシなど野生動物との遭遇にも注意してます。幅の狭い草木が茂ったような道とか通るときとかはあえて、音を出したりしてます。また現在地はこまめに確認してます。あと途中から雨が降って来るのは仕方ないのですが、雨の日登山はしてません。山登り始めた頃は楽しくて雨でもいってましたけど…。そのときの自分にみあった山登りを心がけてます。天気が悪い時は山を変える、もしくは順延します。体調が芳しくない時も止めます。

グループ登山は6人くらいまで

大人数になり過ぎるとペース配分が大きく崩れるので難易度の高い場所へは行かない。
また、グループ登山の時は、はぐれない様に気を付けます。
リーダーや他のメンバーに頼りすぎず、自分で調べて準備できる事はしておきます。
グループ登山、大変です。安全登山で心掛けているのは地図を理解する。人に任せきりにしないで、自分の行く方位や等高線は事前にみておくようにしています。それに合わせてストックがいるか、手袋の指ありなしが必要か、付帯する水の量なども決めておきます。リーダーを担当する時は、疲れている人はいないか、遅れている人はいないか、最後尾迄きちんと目を配ります。

所持品について

服装、登山靴
特に靴は滑らない履き心地が良いもの。登山中も汗をかいたら着替える用意を持って行く。

ファーストエイド
怪我のためのテーピングや絆創膏、鎮痛薬、ステロイド系の軟膏、テーピング用のテープ、小さいハサミ、ストック(骨折時の添え木目的)、サムスプリント、エマ―ジェンシーシートとロキソニンなど痛み止めの内服はもっていくようにしています。ストッパ等。

遭難
ツェルト、ホイッスル、GPS、鏡(主目的はデンタルフロスを使ったり、目にまつ毛が入って取り除く時にも使えます。)

緊急時
不測の事態のためにロープ、ちょっとした簡易ハーネスが作れるスリングとカラビナ、非常食、火打石式のライター

まとめ

登山というのは日頃の運動の成果を発揮する場所です。

遭難や怪我をしてからでは遅いので、どうしたら遭難や怪我をしないかということを考えて備えた方がいいです。怪我の為の処置道具も大切ですが、日頃から身体を動かし基礎体力をつけておく事や、事前にしっかりリサーチし、無理な計画を立てない事。それでも怪我をしてしまった時に使うのが処置道具です。落ち着いて無理のない行動をすれば、ファーストエイドのお世話になる事も少ないです。

下山時刻が遅くならないようにする事、自分の経験や体力などから考えて相応の山orコースを選択する事、SNSを駆使してどんなコースなのか概要を知っておく事、悪天候にならないかよくチェックしておく事・・・基本のキですが、これに越した対策はないと思います。
遭難したときのことを考慮することに20のエネルギーを振り向けるとするならば、計画のほうに80を振り向けます。そのくらい計画重視です。
遭難したときのことばかり考えていると、遭難しないためにどうするかに注意を振り向けられなくなる恐れがあります。

紹介した事は、ごく一部ですが少しずつ心がけて、みんなで登山のリスクを減らしていこうね♪





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